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ワークスコンサルティングは、名古屋市を中心とした愛知県、岐阜県、三重県の事業承継問題をM&Aで解決します

M&Aの実行で気になるポイントpractice

  1. M&Aアドバイザーの選定基準

    下の表及び図は、アドバイザーの選定基準、各社の取り扱い規模を表しています。

    アドバイザーの選定基準、アドバイザー各社の取扱い規模

    最優先する基準はアドバイザー個人の資質です。M&Aは少人数による極秘プロジェクトであるため、会社の知名度を重視した選定は賢明ではありません。世界的に見ても、アドバイザリー専業会社は大資本も多人数も不要であることから、少数のベテランがブティック的にサービスを提供しています。

    次に料金体系を基準とします。成功報酬の料率は全社同様であるため、着手金の有無、アドバイザリー会社の取扱い規模と連動する最低報酬金額の設定レベルを確認します。1,000万円以上に高額設定している会社は中大型規模M&Aに特化しているため、小規模事業者は自社の規模に合ったアドバイザーを選定することが重要です。

    M&Aブティックと呼ばれるアドバイザリー会社は中堅・中小企業向けに特化していますが、大手のほとんどが最低報酬金額を高く設定し比較的大規模なM&Aの取扱いを好みます。一方、取引金額が1億円以下の小規模M&Aマーケットでは、後継者不在問題が最も深刻であるにも関わらず取扱うアドバイザーはほとんど存在しません。

  2. M&A株式価値の算定方法

    下の表は、中小企業M&Aにおける譲渡金額の代表的な算出方法と計算例を表しています。

    M&Aの算定方法

    算定方式はいくつかありますが、弊社は「将来稼ぎ出すと期待できるキャッシュ」を基礎として営業権を適正に評価するDCF法が妥当な方式であると考えています。

    1. @ 中期経営計画の策定

      外部・内部環境分析を行い、現状体制で経営した場合の中期計画を作成します。

    2. A 実質フリーキャッシュフロー(CF)の算定

      真の実力を定量化することに目的として、過大経費・節税効果等を修正の上「実質税引後利益」を算出した後、中期計画で想定する減価償却費及び設備投資等を加減し実質フリーCFを求めます。

    3. B 割引率の算定

      実質フリーCFは将来の数値であるため、「話を割り引く」必要があります。割引率は、株式市場及び同業上場企業の株価変動リスク、未上場株式保有による非流動性リスク等買収に伴うリスクを反映して数値化します。

    4. C 株式価値の算定

      上記手順により割引後の実質フリーCFを算出した後、有利子負債及び現預金を加減し株式価値を算定します。

    DCF法は営業権を適正に評価できる算定方式である一方、高度な専門性を要する難解な方式であるため、中小企業のM&Aでは一般的に「時価純資産+営業権法」と呼ばれる簡便法が採用されています。

    1. @ 修正貸借対照表・損益計算書の作成

      資産及び負債を時価評価した時価純資産額、過大経費・節税効果等を修正した実質税前利益を算出します。

    2. A 営業権の概算

      「実質税前利益×年数」で営業権を算出し、年数では高成長業種は4〜5年、低成長では3年前後を目安とします。

    3. B 株式価値の算定

      時価純資産に営業権を加えて株式価値を算定します。

  3. 秘密保持のリスク管理方法

    下の表は、M&Aにおける秘密保持のリスク管理方法を表したものです。

    秘密保持のリスク管理方法

    M&Aは想定通りに進展しないことが少なくないため、「成約できないリスク」を常に意識する必要があります。M&Aにおける最重要のリスク管理は、秘密保持に関連する事項です。

    秘密情報とは、会社の事業・財務情報、M&Aを進めている事実を指します。買い手は売り手の企業分析が不可欠であり、交渉の進展と共により詳しい情報を入手することになります。しかし、売り手と買い手との間では必ず秘密保持契約を締結するため、事業・財務情報が漏えいするリスクは小さいと考えて結構です。

    問題は、M&Aを進めている事実の漏えいです。成約後の公表は優良企業が買い手になることが多いため従業員・取引先等に安心感を与えますが、取引途上での漏えいは公表できる事実がないため無用な動揺を引き起こすだけです。

    漏えい元になる可能性の高い当事者は、秘密情報に近い売り手オーナー様及びアドバイザーです。オーナー様は周囲のほとんどが「知られたくない人」になるため、長期間の交渉の中で「信頼できる人」に話してしまうことがあります。抑制する仕組みはありませんが、負の信頼連鎖を再認識しご自身を守る意識を持ち続けることが重要です。

    アドバイザーは一般的に高い職業倫理を持っていますが、各社がPRする「ネットワーク力」が悪意なき漏えいの原因になることがあります。M&Aは成約まで原則公表しないプロジェクトであり、できる限り関与者を少なくすることが極めて重要です。関与アドバイザーは取引規模に関係なく1〜2名程度で十分であり、「多数のアドバイザーと強いネットワーク力」を強調することは営業力の誇示以外に意味はありません。

    M&Aの性格上、「売りたい」と公言する売り手は皆無である一方、買い手は「いい会社を買いたい」と公言し専門部署を設けている会社もあります。アドバイザリー会社のネットワーク力は売り手候補の発掘で活用されるものであり、門戸を広くしている買い手との接触は少数のアドバイザーにより極秘で行われるべきものです。

  4. 買い手候補の選定と見つけ方

    下の表及び図は、買い手の買収目的・規模、買い手候補との接触方法を表しています。

    買い手の目的・規模、買い手候補との接触方法

    不確実性が高まる環境下で事業を継続する経営者は、経営資源の確保に深い悩みを持っています。事業の自社立上げリスクの回避を考える経営者は、M&Aを活用した「価値ある事業体」の買収を切望します。買収目的別を見ると「既存商圏の拡大」、「関連分野への多角化」で約80%を占めており、同業者及び周辺事業者が買い手になります。

    また、年商規模別で見ると年商10億円以上の買い手が約67%を占めており、年商規模中心値が5億円前後である売り手と比較して大規模な会社が買い手になっていることが分かります。

    M&Aは売り手の相談からスタートし、事業・業界分析の上買い手候補を選定します。次に、「ノンネームシート」と呼ばれる社名を特定しにくい匿名資料を候補先に郵送し意向確認します。検討を希望される場合は秘密保持契約締結後に売り手の基礎情報を開示し質疑応答を続け、より深い検討を希望される場合は各種条件交渉、オーナー様同士のトップ面談及び会社見学を行い、基本条件に合意した時点で基本合意書を締結します。



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